2011-01-01から1年間の記事一覧

104話:ロマン派への誘い その2

<ピアノ> シューマン◇歌曲「ミルテの花」より〜献呈〜君に捧ぐもう一つのエッセイ「音楽と絵画の部屋」 シューマン:座右の銘こちらもご覧下さい シューマン(1810-1856)というと私は「文学と音楽の架け橋」というサブタイトルをつけたくなる作曲家です…

103話:ロマン派への誘い その1

皆様、お久しぶりです。 このところ演奏会と練習の日々で更新が中々できませんでした。 それにしても早いものですね。もう今年もまた1年を終えようとしています。 皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますか。ベートーベン◇ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴…

2つのコンサートとピアノソロアルバムのお知らせ

ニューイヤーコンサート ソフィアザールサロン(駒込)2012年1月21日(土)2時半開演 チェロ&ピアノ名曲コンサート カフェ「野の花」 4時開演お問い合わせ、お申し込みはこちら kumiko.piano.1215@docomo.ne.jp♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪3'dアルバム<マイ・…

102話:素晴らしきかなシューベルティアーデ

シューベルト(1797−1828)ドイツ生まれ、「歌曲の王」と呼ばれていることは有名ですね。外見的には身長は低く、どちらかというと肥満体で、ひどい近眼。金銭的にいつも貧しく、友人たちの家を転々とする生活を送り、そのせいかどうか、何日もお風呂…

カフェ・野の花 ピアノコンサート

秋のクラシックピアノコンサート〜世界の名曲、音楽の花束をあなたにどうぞお越し下さい宜しくお願い致します

101話:「ドイツ・リート誕生日」となった作品

98話、99話とベートーベンの作品が続きました。癇癪持ちと言われたベートーベン、交流のあった音楽家ハイドンとは喧嘩別れをしてしまったという話が残っていますが、弟子であったツェルニーをはじめ、シューベルトもほんの少しですがベートーベンとの関…

100話:難聴の苦悩、心の焦燥

Beethoven◇Thoughtful 「僕は何回となく創造主を呪った。考えてもみてくれ、僕の一番大切な部分である聴覚がだいぶ弱まっているのだ」ベートーベンが友人に宛てた手紙の一節です。「6年このかた不治の病に侵され、つまらぬ医師たちによりいっそう病を重くさ…

99話:タイトル「ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン序奏つきのピアノソナタ」

随分と長いタイトルですね。これは最初、ベートーヴェン自身のつけたタイトルだったそうです。ベートーヴェン◇ヴァイオリンソナタ「クロイツェル」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)1770−1827 ドイツの作曲家、そして古…

98話:手抜き、減給の名曲

クラシックファンになら大方予想のつく今日の作品ですね。先日、私はオーボエ奏者とちょうど本番にてこの曲で共演させて頂きました。やっぱり木管楽器から流れ出る暖かい響き、モーツアルトの「減り張り」と「ギャラント感」は私の心を瞬時に快活に、そして…

97話:モーツアルト晩年の最高傑作

前回のマタイ受難曲に関連したお話で、今日はモーツアルトの逸話を一つご紹介します。モーツアルトは(1756−1791)オーストリア、ザルツブルグ出身、大バッハの息子クリスチィアン・バッハに小さい頃出会ったエピソードもあるのですが、今日は別のお…

96話:奇跡的な復活上演

早いものでもう3月を迎えました。やがて春分の日も訪れます。この時期ヨーロッパではイースターというお祭りがあるのもご存知の事でしょう。十字架にかけられたキリストが亡くなり、3日目に復活したとされる最も重要、記念すべき日。春分の日の後、最初の満…

95話:蝋燭もなく月光のもとで

ヘンデルの作品に続き今日は同年に活躍したバッハの作品からのご紹介です。 バッハ◇カンタータ第196番「主は我らを心にとめたもう」ドイツの人たちの暮らしの中で秋になると近隣の大小の教会でバッハのカンタータの演奏が行われているそうです。どこの教会…

94話:式典音楽 その2

ヘンデル◇王宮の花火の音楽この曲は1748年に作曲されましたが、言うまでもない事ですが、もう一つの作品「水上の音楽」と並んで祝典音楽としてヘンデルの著名な管弦楽作品となっていますね。さて、ヘンデルはイギリスに帰化した直後1727年に正式に王…

92話:スケッチ「愛らしい小品」たち

前回に引き続き今回もシューマンの作品を取り上げてみたいと思います。私は歌曲と同じようにシューマンのピアノ曲も大変敬愛しています。特に好きな作品は「クライスレリアーナ」「幻想曲」そして今日ご紹介する「子供の情景」です。この3つの曲集はそれぞれ…

ハイネの格言、あなたは何を思う

新年お喜び申し上げます。今年も音楽エッセイ、どうぞ宜しくお願い致します。私からのお年始の一枚はこちら。 カウルバッハ◇少女とうさぎ Herman Kaulbach ヘルマン・カウルバッハ(1846−1909)は19世紀の後半に子供の生活をテーマにした油絵画家…