76話:リサイタル曲から〜バッハ◇フランス組曲第6番ホ長調
いつもエッセイを読んで下さりありがとうございます。私自身、この秋、1年半ぶりにソロピアノ演奏会<ドイツ音楽の系譜による調べ>をさせて頂く予定です。そこで今月からその演奏会プログラム曲を隔週くらいになりますが、御紹介したいと思います
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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685ー1750)は、18世紀に活動したドイツの作曲家です。音楽史上における存在の大きさから、「音楽の父」「大バッハ」と称されています。ベートーベン、ブラームスと共に"ドイツ三大B"とも呼ばれています。
バッハの時代には、ピアノという楽器はまだ普及するにいたっておらず、彼のクラヴィーア(オルガン以外の鍵盤楽器の総称)作品は、チェンバロやクラヴィコードのために書かれたものです。その多くはケーテンの宮廷楽長時代に、彼の息子や弟子の音楽的教育のために作られている練習曲が大半です。非常に美しい作品が多いのですが高度な技術を要します。
そんな中、バッハのクラヴィーアのための曲集には<イギリス組曲>とこの<フランス組曲>の2つがありますが、何故その様な呼称がついたのかははっきりしていないようです。尚J.N.フォルケル(バッハ伝1802年)は、この2つの組曲を大きな組曲(イギリス組曲)、小さな組曲(フランス組曲)と呼んでいるとの事。
「フランス組曲」は第1番から6番までありますがバッハが37歳ころから手がけている作品です。これはちょうどバッハがアンナ・マグダレーナを2番目の妻として迎えた頃になります。ちょうど第1番から第5番までが、いわゆる「アンナ・マグダレーナのための小曲集」に含まれているのです。
私が今回演奏する第6番は1725年バッハ40歳の頃の作品。バッハ1723年にライプツッヒの聖トーマス教会の音楽監督に就任しています。この地位は事実上ライプツィヒ市の音楽監督でもあり、教会音楽を中心とした幅広い創作活動を続けました。
ゲオルク・シュライバー◇聖トーマス教会と聖トーマス学校 1735年
この6番は8つの舞曲で構成されています。どの曲も繰り返し無しではあれば1分あるかないかの短いものばかりです。
アルマンド◇16世紀フランスでは「地面に足をつけた中庸の遅さ」2拍子のダンスで、組になった男女が列を作って進みながら踊るダンスでした。
クーラント◇2分の3拍子あるいは4分の6拍子による、フランス起源の宮廷舞曲。16世紀のアルマンドの一部でしたが17世紀に入る頃に独立した古典組曲になり前奏曲を除いて2曲目に位置することが多いです。
サラバンド◇初めて言及されたのは中米において「サラバンダ」と呼ばれるダンスが最初。どうやらこのダンスは、スペイン植民地で人気があり、これが大西洋を渡りスペインへ逆輸入、後にバロック音楽の組曲の伝統的な楽章となりました。重々しい3拍子のリズムです。
ガヴォット◇フランス地方のフォークダンスと、それに由来する古典舞曲の名称。ガヴォットは、中庸のテンポで4分の4拍子ないしは2分の2拍子で記譜されています。
ポロネーズ◇フランス語で「ポーランド風」の意味。もとは民俗的なものでなく貴族の行進から始まったといわれその後ヨーロッパ各国の宮廷に取り入れられ、フランス宮廷からポロネーズの名が広まりました。また純器楽曲としても作曲され、初期のもので有名なのがこのバッハの作品郡です。
メヌエット◇ヨーロッパの舞曲のひとつ。4分の拍子で、各小節の1拍目にアクセントが置かれます。比較的ゆったりとしたリズムで優雅に踊られる宮廷舞踊です。バロック時代に独立した楽曲として、また、このように組曲の1曲として数多く作曲されています。
ブーレ◇17世紀フランスで流行った舞曲。初めは3拍子系の民族舞踊したがのちに宮廷に入って速い2拍子系の踊りとなりました。速いテンポの2拍子の舞曲で、ガボットに似ています。
ジーグ ◇8分の6拍子または8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民俗的な踊りの形式の一つです。バロック組曲では終曲にしばしば置かれ、急速なテンポで演奏されます。
〜〜フランス組曲第6番より〜〜
サラバンド(演奏 本間くみ子)
http://www.youtube.com/watch?v=QNkUSc_effc
ジーグ(演奏 本間くみ子)
http://www.youtube.com/watch?v=SeLL0cSXzRA&feature=related
◇ kumikopiano インフォメーションコーナー◇
youtubeもよかったらお聴き下さい〜愛の挨拶 他 〜
http://www.youtube.com/user/kumikopiano?feature=mhw5
<本間くみ子 ピアノリサイタル Vol.2>2010.10.2(土) ソフィアザールサロン(駒込)
開演 14時30分(50席、要予約) 入場料¥2000
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/happyendoh/top.files/info.files/info.html
〜ドイツ音楽の系譜による調べ〜
♪バッハ◇フランス組曲6番 ♪ベートーベン◇ソナタ「月光」 ♪シューベルト◇即興曲作品90−3
♪ブラームス◇カプリチオ/間奏曲作品118−2 他 ♪シューマン◇夕べに/飛翔 他
演奏会は作品の背景、作曲家のエピソードなどのトークを交えて柔らかな雰囲気で進行したいと考えています。
休憩でのお茶、お菓子のサービス、終了後はワインで懇親会のひと時もございます。オーナー様が大切にされているオーディオの数々、レコードコレクションとお喋り、奥様はピアニスト、音楽の話題を中心にサロンならではの魅力的な空間です。
演奏会のお問合せはこちら。どうぞ宜しくお願いします。
k-honma@violet.plala.or.jp または kumiko.piano.1215@docomo.ne.jp