フルート名曲集、安らぎのこの1曲はいかが

     71話:ビゼー◇「アルルの女」よりメヌエット

この曲は1872年、ビゼーが34歳の作曲です。アルフォンス・ドーデの戯曲がもとになっていて、付随音楽として編まれ、2つの組曲として広く知られています。

アルフォンス・ドーデ(Alphonse Daudet,1840−1897)は「アルルの女」を含む短編集「風車小屋だより」などで有名なフランスの小説家です。

            

                      ゴッホ夜のカフェテラス

ポスト印象派の代表的画家ゴッホ(Vincent van Gogh/1853-1890)による1888年の作品。

南フランス・アルルの星空の下、人でにぎわうカフェテラスが描かれています。この絵でゴッホは初めて黒をあまり使わずに夜空を描いたとの事。またモデルとなったカフェはアルルのプラス・デュ・フォルムという広場に面した店で、「カフェ・バン・ゴッホ」という名で現存するそうです。

さてさて戯曲のお話は、と言うと。。。

南フランスの豪農の息子フレデリは、ある日アルルの闘牛場で見かけた美女に心を奪われてしまいました。フレデリにはヴィヴェットという婚約者がいるのですが、その日以来彼女の献身的な愛もフレデリを正気に戻すことはできなくなりました。日に日に恋の病で衰えていく息子を見て、フレデリの母はアルルの女との結婚を許そうとします。それを聞いたヴィヴェットがフレデリの幸せのためならと、身を退くこを決心します。そんな中、ヴィヴェットの真心を知ったフレデリは、アルルの女を忘れてヴィヴェットと結婚することを決意します。そして2人の結婚式の夜、牧童頭のミチフィオが現れて、今夜自分がアルルの女と駆け落ちすることを伝えているのですが、物陰からそれを聞いてしまったフレデリは嫉妬に狂い、祝いの踊りファランドールがにぎやかに踊られる中、機織り小屋の階上から身をおどらせて自ら命を絶ってしまうのです。

           

                   ゴッホアルルの女(ジヌー夫人

白い大きな襟が特徴のアルルの民族衣装を着ています。

☆このメヌエットについては、アルルの女といえば、この曲と連想されるほど有名ですが、実はビゼーの歌劇「美しきパースの娘」の曲をギローが転用、フルートとハープによる美しい旋律として編曲したものなのです。 http://www.youtube.com/watch?v=bAAMRXrQ08s
        
        


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